第二回　信州峰の原の、ヤーコン漬け物とロータス・ティー TEAトップへ 　2010年の秋、仕事＆遊び仲間のデザイナー岡本裕子さんのお誘いで、長野県峰の原を訪問しました。人口はわずか250人ほどだそうですから、小さなコミュニティーです。奥菅平とも言える峰の原でペンション「ホワイトイーグル」（http://homepage3.nifty.com/whiteeagle/）を経営している岡本さんのお兄様は、須坂市観光協会の会長も務めた方。地元の魅力を十二分にご存じです。その彼の案内のもと、峰の原とその周辺の景勝地、伝統の老舗、農家などを一泊二日でたっぷり楽しんできました。 今回は、地元のみなさんとの交流会もあり、アジアンティーも多めに持っていきました。 初日、岡本兄妹のご紹介で訪れたのが農業を営む高橋しずこさんのお宅。アンデス原産のミラクルポテト、「ヤーコン」も栽培していて、しかも評判の手作りお漬け物があると聞き、もうわくわく、ヤーコンの漬け物ですよ〜。 　障子を開けたとたん、うゎーお！こたつの上はすでに漬け物やかき揚げ餅で埋め尽くされ、ほこほことストーブが点り、おもてなしの用意が準備万端。 「寒いだろうから中入って、こたつに早く入りなさいよ」とお父さん。「こんなもんでいいかわからねけど、朝から作ったのよ」とお母さん。我々4人はお昼をおなかいっぱい食べたことも忘れ、手作りの漬け物を端から試食しました。 　菜の花の夜漬け、野沢菜漬け、セロリと白菜の漬け物、ヤーコンの粕漬け、白ウリの粕漬けもの。どもみな採れたての野菜ですからおいしいのなんのって。「ここらでも最近は塩を控えてるの、しょっぱいとみんな嫌がるんだものね」とお母さん。そのせいもあって、次々に頂けてしまいます。これまた自家製のほんのり甘いヤーコン茶を飲みながら2時間ほど食べっぱなしでした。 　夕方からの交流会用に漬け物を持ち帰り、岡本さんのペンションでアジアンティーと合わせてみました。この夜は、お茶の好きな方やグリーンツーリズムを主催する地元のエージェントの方（http://www.keitravel.com/index.php/green）も集まり和気藹々。昼間、買い集めたおやきや銘菓、ペンションのシェフ岡本裕美さんお手製の中国風蒸しカステラや揚げ菓子をつまみながら、茶杯を重ねます。中華風の点心には雲南省の野生樹プーアールを、「つたや」さんの「巨峰大福」には台湾苗栗県産の「当方美人」を。巨峰の香りがマスカット香を持つ烏龍茶「東方美人」に調和して、お茶でほろ酔いするほど。ヤーコンの粕漬けは浙江省の緑茶「西湖龍井」も悪くありませでしたが、独特の香りを持つヴェトナムのロータス・ティー（蓮の葉茶）のほうが新感覚の味わいでした。粕漬けとなってさらに甘みを増したヤーコンが蓮の香りに溶け込むんです。蒸したおやきもロータス・ティーと相性がいい。中華まんじゅうみたいな皮にくるまれた具がけっこう個性的なので、緑茶では負けてしまいます。 ロータス・ティーは、もともとヴェトナムの貴族が、朝に開き夕方閉じる蓮の花の性質を利用し、花の中に緑茶を入れて一晩置いて薫香をつけたものが始まり、と言われています。現在市販されているものは、緑茶に蓮の香りをつけたもの、蓮の花芯をそのまま使ったもの（台湾の白河郷でも生産されている）、蓮の葉を乾燥させ茶葉代わりにしているものがあるので、好みで選んで下さい。最近はヴェトナム料理店でも扱っていますしネットでも買えます。 　この夜は、地元のおいしい茶請けと参加者それぞれのお話しが盛り上がり、おかげで信州から中国、台湾、ヴェトナムへとアジア各国をトリップすることができました。 　 高橋さん作のお漬け物。左下がヤーコンの粕漬け（白っぽい方） 須坂のおやき。蒸してあるので中華まんじゅうみたい お茶を通していろいろな方とお知り合いになれました 旧家の紅葉がみごとでした 老舗の味噌やさん。奥には江戸時代からの味噌蔵が。 おやきにはまった私たち。「つたや」の店頭で ●おすすめのおやき　　「つたや」 住所：須坂市穀町529-7 電話番号：026-245-0541 FAX番号：026-248-6318 営業時間：午前7:00〜午後8:00 定休日：なし ネット販売：http://www.secomfoods.com/item/nijyu/oyaki.asp?sc.mc_id=yho000&wapr=4d2554d2 ＊須坂のおやきはまるで中華まんです。蒸してあります。私はおから味がすごく気に入りました。 そのほか、野沢菜野菜、丸なす、にらキャベツ、大根野菜、ビビンバ、山菜野菜、カボチャみそ、そら豆あん、小豆こしあん、ずんだ豆あん、カボチャあん（以上どれも120円）、黄金シャモのおやき（180円）　などがあります。