平野久美子 TOP TOPICS JORNEY TAIWAN DOG BOOKS TEA
日台の知られざる水の絆の物語 〜 「鳥居信平」
鳥居信平の胸像除幕式が、南台湾で挙行!
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 2009年4月21日。屏東県来義郷の小さな町で、待望の除幕式が行われた。胸像は台南県に本社のある『奇美集団』の創始者であり、芸術に造詣の深い許文龍さんが自ら製作し寄贈したものである。

山合いの来義郷に、この日は朝から大型バスや乗用車が続々と乗り入れ、会場となった森林公園は、地元の小学生、水利署や大学や環境団体の関係者、報道陣など、200人を超える参加者であふれかえった。出席ができなかった鳥居家の方々に代わり、私は故鳥居鉄也先生の遺影をたずさえて式に臨んだ。誰よりもこの日を待っていたのが鉄也先生である。昨年、10月に亡くなられたことがかえすがえすも残念でならない。

 夜来の雨があがり、晴れやかに太陽が照りつける中、来義小学校の児童がパイワンの歓迎の舞を、続いてワシの羽根や、イノシシの牙で飾った冠をかぶった古老たちが労働歌を披露した。その昔、「二峰圳」の工事に参加した彼らの先祖は、この歌を山々にこだまさせながら開墾作業に出かけて行ったのだろう。

 挨拶の中で、屏東県長の曹啓鴻さんは、次のように総括した。

「水の性質を巧みに利用して環境に配慮した鳥居信平の発想は、国籍を超えて称えるべきものです。彼は地元民の生活や文化を尊重して素晴らしい水の装置を造ってくれました。二峰圳を私たちの宝として、末永く大切に使い続けていこうではありませんか」

 台湾と日本の双方が互いの知恵を出しあって目指すべきことは、健全で恵み豊かな環境が、生活の場から地球全体にわたって保全されるよう、次の世代に手渡すことだ。

 信平の生誕地である静岡県袋井市では、胸像設置の準備が着々と進んでいる。この5月には台湾から待望の胸像が届く。郷土の偉人鳥居父子を多くの人々に知らしめるために、記念展やシンポジウムも予定しているという。台湾からのゲストを迎えての除幕式は、2009年7月に予定されている。
除幕式には奇美文化基金会や水利署、来義郷長、県長が参加。
伝統的な労働歌を歌うパイワン族の
古老たち
鳥居鉄也さんの遺影