平野久美子 TOP TOPICS JORNEY TAIWAN DOG BOOKS TEA
台湾南部旅行、無事に終了。
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 2012年12月6日から9日まで3泊4日で出かけた「台南南部に、日台水の絆を訪ねる旅」は、総勢22名。充実した時間を過ごすことが出来ました。これもひとえに、企画とお世話を買って出て下さった幹事のみなさん、ツァーの施行を引き受けて下さった「ユナイテッド・ツァーズ」、現地で温かいおもてなしをしてくださった台湾の方々、そして向学心と好奇心いっぱいの参加者のみなさんのおかげと、心より感謝をしております。有り難うございました!  以下にざっと4日間のご報告をさせていただきます。
 17時6分の高鉄で、みなさん元気に「左営」駅に到着した。「ユナイテッドツァーズ」の長谷川さんと台北の現地旅行社からは謝小姐がエスコートしてきたので、堂々の団体様ご一行。なんだかほほえましかった。一足先に台南入りしていた平野はここで合流。さっそくバスの車内で「移動は団体方式ですが、バスから降りたら個人旅行とお考え下さい、旅の醍醐味は迷う、途方に暮れる、ですからねっ」と檄を飛ばす。そのためのオリエンテーションも積んだのだし、次回は一人でも来られるように、街へ出たら自分たちのアンテナで台湾を感じて貰わなくては。それに対して「はーい!」「了解!」と頼もしい返事が返ってきて、みなさんの期待度を強く感じる。

  「左営」駅からホテルへ。チェックイン後、さっそく六合夜市へ出かけた。250元ほどで4品以上楽しめたら合格。ということで思い思いに体験をしてもらう。2時間後にバスはいちおう迎えに来るが、もっといたい人は各自ホテルへ戻るというシステムをとった。こんなことができるのも衛生面、治安面ともに何の心配もない台湾ならでは、である。

のちほど話を聞くと、みなさんすごい~ 4品近くしっかりと召し上がっておられました。
●平野流夜市のたのしみ
1 . 輿一のメニューから自分なりに前菜~デザートまでを堪能する
2 . ビールは通りの裏側のコンビニで求めて、アルコールを片手にぶらつく
3 . 適度におなかが満たされたら、最後はマッサージでしめる
7時半に高雄のホテルを出発し、屏東県来義まで約1時間半のドライブ。

 車内での案内は平野が引き受け、屏東県の今昔、台湾の南部事情、鳥居ダムの説明などを行う。一番感じて頂きたかったのは「距離感」だ。今でこそ、日本から屏東までは飛行機+高鉄+高速道路を使って難なく着いてしまうが、大正初めに東京からやってきた技師の鳥居信平は、約1週間かけて南へ南へと下ってきたわけだ。それこそ未踏の開拓地へと・・ ・・。

 「来義へ到着するまでは、どうぞ100年前の旅人となって、その距離感に思いを馳せてみて」。これが本日の旅の心。

大型バスはやがてビンロウ樹の畑を縫い、北大武山を仰ぎながら山間の村へ。
狭い道路ぎりぎりにバスが走るので、村人は大変。ちょっとご迷惑をかけてしまって申し訳なかった。

 9時に来義国小前で、国立屏東科技大学丁澈士教授の片腕呂研究員と待ち合わせ。パネルなどを持った大学生たち4人が来てくれた上に、国立屏東商業学院の日本語応用学科の生徒さん10数人も応援に来てくれて、大集団にふくれあがった。来義の村長さんも途中から小米酒(アワ酒)を持って駆けつけて下さる。行ってみないとわからないのがいつもの台湾だが、今回も予想外の歓迎ぶりに一同大感激!

 川岸で青空教室が開かれ、鳥居信平の地下ダムの講義を受けた。その後、森林公園で胸像に対面し、ここで村長さんが持ってきたアワ酒で酒好きだった信平を偲んで献杯。村長さんは美声を響かせてパイワンの歌を披露してくれた。その後、清流を追いかけて水路や分水口などの見学に回った。天気にも恵まれ、のどかな山道を歩きながらの見学は、実に気持がよかった。
二峰圳での野外授業
お世話をしてくださった国立屏東商業学院日本語応用学科の生徒さんたち
奇美博物館でいただいたお弁当
豚足食べた~、竹田へも行った!

 ランチは学生さんたちもいっしょにワンルァン萬䜌(下に山がつく)の豚足レストランへ出かけ、客家料理に舌鼓を打った。

 ここでも個人旅行スタイルをとった。つまり、それぞれグループごとに日本語学科の学生さんたちと交流をしながら、適当にレストランへ入ってもらい、集合時間まで料理と小さな村の雰囲気を堪能する。

これにもみなさん、すぐに適応してくださり、とてもよい雰囲気ができあがった。

 おなかもいっぱい、お土産もいっぱいゲットしたところで、いよいよ多桑世代の待つ竹田の「池上一郎博士文庫」へ向かった。ここでも多くの方々に温かく迎えて頂きまたまた感激!館長さん、劉事務局長、多桑世代約10名と、2時間ほどの懇談会を持ち、日台の絆を確認する。

 もうひとつ。サプライズとして、参加者のお一人遠藤さんのご親戚がはるばる来て下さって、38年ぶりの対面も実現。涙、笑い、感動がうずまく竹田の昼下がりでした。

 その後、一路台南へ。見学のポイントは台南のオランダ時代と鄭成功時代を知ること。ランドマークの「赤かん楼」を全員で見学してざっと歴史を説明し、周辺の食状況をみてもらう。夜は地図を渡して各自台南歩きを楽しんでもらった。
安平地区の老街にて
台南神農街で見かけた反核旗
 八田ダムと奇美博物館で歓声、拍手!

 8時にホテルを出発→台南県の烏山頭ダムへ。あいにくの曇り空だったがなんとか雨もぱらつかずに済む。記念館や銅像やダム湖、住居跡などを見学し、台湾の農民に慕われた八田輿一の功績を偲んだ。さすがに予習の効果があがって、みなさん、烏山頭ダムの意義や八田の仕事ぶりへの理解が深まったよう。

銅像のそばのさくらがちらほら咲いていた。

「ランチをごちそうしますから、早めにいらっしゃい」

こんな有り難いお誘いを奇美文化基金会の許文龍先生から頂戴し、お言葉に甘えて博物館へ急いだ。

「日本語のガイドさんが案内しますから」

と言われ、どなたがいらっしゃるのかと思っていたら、なんと私が以前からお世話になっている石堯さんだった!

「わあー、お久しぶり~」と思わず抱きついた。

 彼の説明はほんとに楽しくて、名画のエピソードを実に手際よくして下さる。ちょうど新館へのお引っ越しが始まったところで、一部閉館していたものの、素晴らしい絵画と楽器のコレクションを石堯さんの名ガイドで鑑賞できた。特にいつもは聴けない自動演奏楽器を、私たちのためにすべて動かして下さり、その名演奏ぶりに感激してしまった。

地下の社員食堂には、心をこめてお弁当とパイナップルケーキが人数分添えられていて、ここでもまたまた感激。奇美博物館の皆さん、ほんとうにご親切なおもてなし有り難うございました!!
安平へも行きました
 翌朝の訪問だとやはり出発前の慌ただしさがあるし、天気がそこそこなので夕焼けも期待できるかもしれない、と長谷川さんらと相談して急遽安平へ出かけた。ゼーランディア城と古い街の路地裏を歩いて、古都の歴史に触れてもらいたかった。市内は修学旅行生や家族連れで大変なにぎわいだったが、みなさんここでもどん欲に行動し、集合時間までぶらぶら歩きを楽しんでもらった。
最後の晩餐は「阿美飯店」で大宴会
 19時半から台南料理で打ち上げを行う。民権路2段の「阿美飯店」で一人につき400元(税込み)という嘘のようなお値段で宴席が開けたのは、台南市文化交流会のフー女史のアレンジのおかげだ。(ご参考までにみなさんに配ったちらしをお見せします)
●旅の最後の夜に盛り上がろう! 地元の庶民派食堂で「台南晩餐会」
日時: 2012/12/8 19時半~
店名: 阿美餐庁
地點: 台南市民權路2段138號
電話: 06-2222848
●メニュー桌10人份
四碟冷盤(蝦棗、香腸、五味花枝、桂花鮑)
四色前菜(海老と魚のすり身巻き揚げ、腸詰、イカの五味和え、鮑サラダ)
紅蟳米糕 (紅蟹のおこわ)
桂花干貝 (貝柱、卵と筍の炒め物)
乾炒鱔魚 (八目鰻の炒め物)
鹽酥草蝦 (車えびの塩辛炒め)
☆沙鍋鴨 (鴨鍋=当店の目玉商品)
布丁 (特製プリン)
削氷 (台南風伝統かき氷)
※以上:8品のコースで一人の予算は400元
※野菜炒めが欲しければその日の入荷素材で頼むこと可能。
この分は追加となりま す。
※飲み物は別勘定となります。
台南の最後の晩餐で堪能した
ワタリガニのおこわ
台南最後の朝食は
行きつけの素食点心店で。
 言うまでもなくめちゃくちゃ盛り上がりました! 楽しかった数々の体験、交流、新しい出会い・・・・それらを肴にして飲んだ台湾ビールや紹興酒が身体に染みこんだ夜でした。日本と台湾に乾杯~!!
 最終日となったこの日、出発の10時半まで参加者のほとんどが早起きして朝市や街の朝ご飯やさんへ出かけた。10人ほどをお連れして、素食(精進料理)の点心やさんへ行く。ここの朝ごはんは、私の台南の定番である。豆乳のおいしさにほっとする点も捨てがたい。

 ところが、やはり疲れが溜まったのか、道を間違えてしまった。あんなに通い慣れている店なのに行き着かない!地元の若者の親切な誘導でようやくたどりついた。なんということだろうか。

でも、皆さんに満足して貰いほんとうによかった。

● 朝ごはんはなるべく街中でとろう

● ホテルのビュフェは、帰ってからデザート、コーヒーだけ利用しよう。


 そして高鉄の台南駅で、最後に各自ランチのお弁当を買う。お寿司の詰め合わせを選んだ人もいれば、「セブンイレブン」で台湾風のおにぎりを買った人もいれば、カフェのサンドイッチを買った人も。
それぞれの個性がこんな所にも出ていて見ていて楽しかった。

車内でみなさん、それぞれ試食をしながら、台北駅へ予定通り滑り込んだ。

私は中山北路の「国賓大飯店」前でみなさんとお別れ。

 今回も大勢の方々の温かい歓迎を受け、先人たちが築いてきた日台の絆を再認識した。おそらく参加者の皆さんも同様だろう。これからも好奇心、行動力を日台の相互理解のために使って頂きたいと思っている。
またいつの日か、同じ旅の空で過ごしましょうね!