平野久美子 TOP TOPICS JORNEY TAIWAN DOG BOOKS TEA
5月に『牡丹社事件 マブイの行方』の増補版と中国語版が発売となります!
 
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2019年に集広舎から上梓したノンフィクションが日本で増補版となって、台湾ほかの繁体字圏の国々で中国語に翻訳されて発売となります。
2021年は、牡丹社事件のきっかけに利用された琉球民遭難殺害事件が起こってから150年という節目の年にあたります。その2021年に牡丹社事件を扱った本書が増補版となり中国語翻訳本となって世に出ることに感慨を覚えます。拙著に興味を持って翻訳出版してくださった台湾の出版社に心からお礼を申し上げたいと思います。
中国語版の翻訳を担当してくださったのは、一橋大学で日本と台湾の近代史を専攻する若手の研究者黄耀進さん。編集担当の方も若手と聞いております。序文は、原住民やポストコロニズムの研究で広くその名を知られている、中央研究院の黄智慧先生が担当してくださいました。
(本文がかすんでしまうほどの素晴らしい一文です)。
1874年に日本軍が台湾に攻め入った、いわゆる牡丹社事件は、台湾と日本の近代史の最初の接点とも言うべき重要な出来事ですが、日本ではほとんど忘れられています。台湾では日本よりも知られているとは言え、遙か遠くの歴史の一コマであることは同様です。
「歴史は生きている」という視点から、私は、事件の和解に努力する日台双方の末裔たちのエピソードを記しました。
増補版は改訂版ほど大幅に加筆や想定変更はできませんが、初版で気になっていたところを訂正、2019年以降の動きを本文や年表に追加記載してあります。
琉球民の末裔の方々の気持ちが少しでも台湾に伝わることを願ってやみません。
中国語でお読みくださると、また違う発見があるかも知れませんので、ご案内させて頂きました。
*以下は中国語版の購入サイトです。
http://www.books.com.tw/products/0010889710